平成19年度 発達心理学特講のページ


◆授業の目標

 発達心理学に関して,受講者全員が
  • 主体的に,生き生きと,しっかりと,責任をもって,共に学び合う
  • 毎回の授業で,各自がこの発達心理学という領域に関して,確かに「何か」を学べたという実感を持てるようにする。そして,もちろん学期終了時にも。
◆授業の方法
  • 受講生が主となり(担当教員はサポート),上記の目標が達成できるような授業のやり方そのものを自分たちで協働して創り,実行する。

  • 授業に関して,教員から提示する条件(お願い)は下記の2点。あとは受講生に任せます。
  1. 受講生が一人もしくは複数で先生役になり「授業をする」という形態をどこかに含めてください。
    (全員が最低1回以上は「先生」になってください。)
    その際,教え手,学び手の双方が責任をもって学習を成立させることを保証するための1つの手段として,「授業」時には必ずその中に,内容に関する問題の提示と解答をする(簡単に言えばテストをする)局面を入れ込んでください。
  2. WEB掲示板を利用して,各自が毎回の授業の振り返りを書き入れてください。掲示板を利用することで,振り返りの可視化・共有化がはかられ,最終的にポートフォリオになります。
掲示板はここから

 ※最初から完全な授業プランを立ててしまうよりも,取りあえず始め,必要に応じて随時,改良して行く。
   創意工夫の精神と柔軟性が大事。


◆共通テキスト
  『よくわかる 認知発達とその支援』 ミネルヴァ書房
  これをテーマやトピックなどの土台とする。ただし,この本はあくまで土台,材料です。
  • 全てを網羅する必要はありません。本の配列順にやっていく必要もありません(適宜,組み合わせて)。
  • このテキスト内だけで完結させる必要はありません。むしろ,あるテーマについて詳しく知りたい,また相手に効果的に伝えるための教材を作りたいと思ったら,これ以外の資料も参照する必要があるでしょう。

◆私はなぜこういう授業をしようと思ったか?(担当教員の考え)


毎回の授業の記録
第1回 10月5日
  • 教員と学生が自己紹介 その中で各学生に「発達心理学で学んでみたいこと」を述べてもらった。
    ※学生からは次のような事柄が出ました。
    • 子どもの固有の興味はいつできる?
    • いじめというのは何歳ぐらいから?
    • 幼児がよく鏡映文字を書くことに興味がある
    • 子どもにとっての「友だち」ってどこからが始まり?
    • きょうだいの誕生による赤ちゃん返り
    • 児童の集団遊びについて。いつ頃からどいういう遊びをすればいい?
    • 幼児の人に対する認知や関わり方
    • 子どもの笑いのツボ
  • 教員からこの授業についての説明
  • ワークショップ1 テーマ:「発達心理学の授業で,主体的に,生き生きと,しっかりと,責任をもって,共に学び合える授業って,どんな授業? また,そういう授業を創るためには何が必要?
    ◆第1回授業で行ったワークショップ1の成果(クリック)

  • 具体的に,授業をどうやっていくかを学生がディスカッション
第2回 10月12日
  • 前回の決定に従い,前半は宮元が「発達心理学とは何か」というテーマで概論の授業を行う。
  • 後半は,それを受けて,前回に引き続き,今後の授業の進め方を学生がディスカッション
第3回 10月19日
  • 各自が,テキストの中で関心をもち,授業者として扱いたいところを出し合った。
  • それを受けて,誰が,いつどいう順序で,「授業」をやるかを話し合った。
  • 宮元からそれまでの話し合いを聞いての意見が出され,それを受けて,内容のつながり,この授業全体を通してのテーマ,聞き手の役割,等について話しを深めた。
  • 結論 : 要するに発達って何だ?というのが大きなテーマ
第4回 10月26日
  • 今回から4回生のSMさん加入。
  • 授業担当の日程を改めて確認
  • 各自の授業テーマについて,現時点でのおよその考えを述べた後で,それ以外の人,つまり学び手になる側からの意見や注文を出し合った。
第5回 11月02日
第6回 11月09日
第7回 11月30日
第8回 12月 7日
第9回 12月14日
第10回 12月21日
第11回 1月11日
第12回 1月18日
  • これまでの各授業の担当者から補足説明
  • この授業の振り返りディスカッション
    • 目標に照らしてよかった点や至らなかった点
    • テーマ「要するに発達って何?」について,各自どのような見通しがもてたか。
    • この授業をより良くするための工夫や改善点の提案
課題
  1. この授業の担当者になり代わって試験問題を作る(各自が良問を2問考案)
  2. 全員が出した試験問題案の中から,自分の作成した問題以外で,「良問」を2問選び解答する。さらに,自分の作った2問には模範解答を作る。これを提出。
  3. 提出された答案をオリジナル問題の作成者に回すので,問題作成者自身が添削したり,講評を付けたり等の評価を行う。 → 解答者に返却。


◆受講生から出された試験問題集
  1. 新しく改定される学習指導要領において、「確かな学力」として「言葉の力」の涵養が目指されている。そこで、「言葉の力」の発達支援において、どのような活動・手立てが考えられるか。具体例を挙げ、述べよ。
  2. 具体的に子どもの特徴を設定した上で、田中ビネー知能検査とWISC-Vの特徴を比較しなさい。
  3. エリザベス=キューブラー=ロスの死の5段階説を、1段階ずつ簡単に説明せよ。
  4. ヘッドスタート計画について、セサミストリートがどういう意図で行われたのか、またセサミストリート以外にどのような取り組みがあったかを説明しなさい。
  5. 今まで行ってきた授業の中から一つを選択し、発達とは何かを絡ませながら内容をまとめて下さい。
  6. 「大人は勉強しなくていいな。」と言っている子どもに対して、あなたならどのように答えますか。発達心理学特講でやってきたことを参考にして書きなさい。
  7. 学校現場で子供の「発達」に関わる際に何を心掛けるか記述して下さい。
  8. 認知発達における「学習」とは。
  9. 発達という言葉について10月12日の資料を参考にしながら、授業を通じて考えた内容を述べよ。
  10. この授業を受け始めたときと今では、発達心理学に対するイメージはどのように変化しましたか? 変化した理由もつけて答えて下さい。
  11. 発達心理学特講で私たちは何を知り、学んだのか。生涯発達を参考にしながら意見を書きなさい。
  12. 発達とは何か講義内容を踏まえ、自分の考えを述べよ。
  13. 私たち大学生(またはその前後も含め、いわゆる青年期)はどのような面で発達していると言えるか、具体例を踏まえながら説明しなさい。
  14. 生涯の「発達」において教育はどのように関わっていると思うかを記述して下さい。
◆これらの問題に対して,問題作成者が自ら答えた解答は →こちら(学内専用ページ)